梨はソルビトールの含有量が多く、呼吸器病の予防、治療に役立ちます。
漢方薬にも『雪梨膏』という梨を含んだ方剤があるくらいです。
また、体を冷やす働きがあり、発熱疾患に用いると解熱を促してくれます。
カリウムが含まれるため、血液中のナトリウムイオンの増加を防ぎ、高血圧などに有効です。
アミノ酸の一種のアスパラギン酸が含まれ、疲労回復効果があります。
プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)が消化を助けたり、
肉料理において肉をやわらかくしたりする効果があります。
最近の研究では、便通を良くし、血糖値を抑えて糖尿病予防に効果的であることが分かってきました。
さらに植物繊維のリグニンが発がん性物質を吸着し、大腸がん等を予防することも判明しました。
美味しいだけではない効能が梨には色々あります。
古くからある梨農家では梨を煮詰めて「梨飴」を作り、風邪をひくと「のど薬」として利用しています。
また、梨飴は加工グループ等により製造され、一部は市販されています。
のどに良いと言われる梨。カラオケの前に梨を食べると喉も潤い、調子もあがるかもしれませんね。
目次
● 血圧を下げます
梨に多く含まれる無機成分はカリウムです。 一方、ナトリウムは少なく高血圧症の方には、梨に含まれるカリウムが体内の中からナトリウムの排出を促進し、 血圧を下げる作用があります。
● 利尿作用や体内の代謝
アンモニアを体外に排出するアスパラギン酸を含有するため、 利尿作用や体内の代謝を整える働きが期待できます。
● 疲労回復
梨の主成分は水分で、約90%を占めます。 たっぷりとした果汁に加え、リンゴ酸とクエン酸のさわやかな酸味もあり、水分補給や夏バテぎみの疲労回復に役立ちます。
● 便秘解消
果肉のザラザラした舌触りは 石細胞によるもので、便秘解消に効くといわれています。
● 糖尿病の治療
梨を含め果物は糖尿病の食事療法の上で必須の食品で、 1日1単位(80キロカロリー)が必要とされており、梨では200グラムの摂取が求められています。
【梨の漢方的な働き】
● 解熱、潤肺、鎮咳、去痰作用
熱を下げ、肺を潤し、せきやたんを鎮める作用があるため、 かぜや扁桃炎で熱があり、のどが痛むときは梨の絞り汁を冷やして飲むと効果があります。
● 中国では古くから薬として利用
中国の北方は乾燥と砂塵のひどい気候風土のため、 咽喉頭炎や気管支炎を患う者が多く、そうした炎症を梨によって予防するため、漢の武帝は庭園に梨の木を植えたとされています。また、漢方薬にも「雪梨膏」という梨を含んだ薬があります。このように梨はすばらしい薬効があることから、漢方の古書の多くに薬として記載されています。
【梨の利用方法】肉類の消化促進に梨を! こんな時には梨を利用しては?
● 声が枯れる
梨のしぼり汁でうがいして、のどを潤すようにするとよいですよ。
● せき止め
梨のしぼり汁にショウガのしぼり汁と蜂蜜を加えたものを煮て、ドロドロにしたものを食べるとよいです。
● 肉類の消化促進
梨にはたんぱく質分解酵素があり、肉と一緒かあるいは 食後のデザートにすれば消化を助けます。
● 二日酔いには中国式薬膳「蓮梨汁」
梨とレンコンを同量ずつジューサーにかけ、ジュースにして飲むとよろしいです。 (このジュースは中国では「蓮梨汁(れんかじゅ)」といい薬膳に用いられています)。
【冷え性の方は食べ過ぎに注意】
● 梨の解熱作用は身体を冷やすことになるので、妊娠婦、冷え性の方は食べ過ぎに注意しましょう。
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